繊維業全般 全国動向

衣服や家具などの繊維業ではなく、
自動車・航空機など工業分野で飛躍する業界へ変貌

air plane繊維産業は天然繊維系(綿紡績、毛紡績)と合成繊維系に分けられ、戦前からの日本の花形産業であった。しかし生産コストの上昇、アジア諸国の猛追(特に中国)による国際競争力低下、円高と続いたマイナス要因が花形産業から滑り落ちて久しい。

国内唯一残った総合合繊メーカー東レを筆頭に医療用から産業繊維へのシフトを行い、自動車や航空機分野への進出を果たし、不況イメージが強かった繊維産業だが、長期低迷から脱しつつある。
但し、各社は売上全体に占める繊維の比率を引き下げている。特に衣料用繊維は中国品の影響で低迷が続いており、上述のごとく自動車や航空機分野といった産業用で稼ぐ傾向を強めている。又、産業繊維の中でも航空機などに使われる炭素繊維は東レ、東那テナックス、三菱レイヨンの日本勢3社が世界市場の7割を握り、世界をリードしている。
液晶など薄型表示装置向けのフィルムなど光学材料もクラレ、東レ、帝人、三菱レイヨンなど繊維各社が成長産業に素材を供給する体制を完備し平成16年以降は繊維部門も黒字化している。

繊維業全般 長野県内動向

かつて蚕糸業で栄えた長野県
県内繊維業界全体が縮小傾向

ito-rall長野県はかつての蚕糸業を誇り、大正中期から昭和初期の最盛期には全県の総生産の8割を蚕糸業ならびに関連産業で占められていた。
しかし戦後派軽工業から重化学工業へのシフト、アジア諸国の猛追による国際競争力の低下、国内メーカーがこぞって中国への製造をシフトした影響で産業構造の大幅転換が相次いだ為に年々先細り感を強めている。こうして大手各社は先端分野に注力する中、こうした分野の開発・製造拠点が乏しい長野県は、事業所数、従業員数、製品出荷額、いずれも著しく減少している。繊維・衣服(従業者4名以上)の事業所数は、平成10年以降減少を続けていたが、平成23年で増加となった。従業者数は平成10年5,556人、14年3,311人、17年2,693人、20年2,251人、21年2,117人、22年2,040人、23年2,004人と事業所数の増加はあったものの、従業者数は減少を続ける結果となった。製造品出荷額においては平成10年506億円、14年303億円、17年250億円、21年187億円、22年173億円、23年174億円となっており、23年で下げ止まった。

生き残る企業は健闘

平成24年度の長野県下繊維業売上高トップは、フレックスジャパン(千曲市)。全国トップクラスのドレスシャツメーカーとなっている。2位のたちばな(長野市)は、洋品店から始まり、その後着付け教室、呉服商へと転身した企業。フォトスタジオ併設型店舗を設けるなど、多方面からの集客を図っている。3位は独自の郊外型ロードサイドショップを核として県内、県外合計31店舗を持つロン・都(長野市)。県内衣料業界で抜群の存在感を放っている。

長野県繊維業全般 平成24年度売上高ランキング

順位 社名 所在地 売上高 対前年度比
伸長率
1 フレックスジャパン(株) 千曲市 11,021 103.4%
2 (株)たちばな 長野市 3,737 112.2%
3 (株)ロン・都 長野市 3,491 96.5%

(単位 百万円)