カーエアコン製造などのGAC(安曇野市)は、車載向けで培った技術を応用し、これまでの費用の半額程度に抑えられる空調機器を開発した。住宅内の温度を、各部屋の隅々まで快適に保つ全館空調システムは、導入コストが高いとみられてきたが、低価格化実現に加え、高齢化や健康意識の高まりで需要が伸びると見込んでいる。

GACは、ワゴン車の天井に取り付けるエアコンの製造も手掛けている。狭い天井のスペースに組み込めるよう小型化しており、この技術を全館空調用に応用。業界の主流製品と比べて設置面積を1割ほど狭くできた。
この空調機器は、トヨタホーム(名古屋市)が2012年から住宅施工時のオプションなどで販売する全館空調システム「スマート・エアーズ」で使う。
このシステムは設備の設置方法にもこだわり、居住空間をせまくしないように天井裏や床下などに設ける。広い居住空間を確保できるスマート・エアーズは、15年度のグッドデザイン賞に選ばれた。

これまでスマート・エアーズ専用で納入した空調機器は約1300棟分。その他の住宅メーカーにも汎用型を販売し、GACの売上高全体のうち全館空調用事業が占める割合は5%ほど。新築住宅市場は縮小傾向だが、全館空調の採用割合は高まっているといい、同社は「20年には売上高の20%を占める事業にしたい」(営業担当者)としている。

GAC株式会社

本社所在地:長野県安曇野市豊科
事業内容:カーエアコン、パッケージエアコン等業務用空調システム製品の製造販売、食材鮮度維持機器、環境改善機器等の開発・製造