飲食料品卸売業 全国動向

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かつての中国冷凍餃子の農薬物混入事件をはじめ、汚染米事件、カップめん防虫剤成分、基準値を超えるシアン化物イオンと塩化シアンがウインナーより検出するなどトラブルが続出した。最近では、大地震による東京電力福島原子力発電所事故で農林水産物に影響がみられたほか、レバ刺しや白菜漬けによる食中毒で死者が出るといった事件も相次いだ。また産地や表示の偽装・消費期限の改ざんは後を絶たず、消費者の安心・安全に配慮した商品へのニーズが高まっている。
飲食料品卸売業界は、小売業とメーカーを結ぶ役割から、総合商社による系列化が顕著となった。大手メーカーによる中堅・地方卸の統併合が行われる一方、年々競争は激化し、これらは食ビジネスを取り巻く環境(少子高齢化、消費者ニーズの多様化、インターネットといった販売チャネルの変化等)が大きく変化したことに起因する。

こうした状況下、卸業界では平成24年4月三菱商事傘下の菱食(総合食品卸)、明治屋商事(酒類卸)、フードサービスネットワーク(コンビニ向け卸)、サンエス(菓子卸)は統合され三菱食品となり、平成27年3月期では2兆2,543億円を超える売上を計上している。伊藤忠商事の国内食料流通における中核子会社の日本アクセスも、平成27年3月期の売上は1兆6,179億円とさらに伸びた。一方地方の中小卸は経営環境が厳しく、依然として大手によるM&Aが加速する可能性がある。

飲食料品卸業 長野県内動向

平成24年商業統計調査結果によると、長野県の飲食料卸は法人事業所が903、個人事業所が237の計1,140となっている。業界をとりまく環境をみると➀個人消費伸び悩みによる商品需要の減少、➁販売先である小売店の減少および不振、➂小売店からの値引き要請の常態化、➃配送面におけるニーズの高度化、➄メーカーからのリベートの減少➅規制緩和の進展、➆外資参入と流通再編➇低価格志向と高付加価値志向、➈市場の飽和・競争の激化➉経済のグローバル化などが顕在。市場関係、需要者・消費者動向、経済動向、製品動向など、あらゆる面に目を向けて取り組んでいかなければならない状況となっている。

平成24年度飲食料品卸売り業売上高(30億円以上)にランクされた19社のうち、前年売上実績を上回ったのは5社であった。18社は前年同様の顔ぶれで順位に多少の変動が見られる程度と、各社安定した業績で推移している。
平成26年度の県下飲食料品卸売業売上高ランキング(30億円以上)にランクされた19社のうち、前年売上実績を上回ったのは12社であった。各社ともに安定した業績を挙げている側面がある。

長野県飲食料品卸売業 平成26年度売上高ランキング

順位 社名 所在地 平成24年度
売上高ランキング
対前年度比
伸長率
1 (株)マルイチ産商 長野市 164,595 103.3%
2 長野県連合青果(株) 上田市 58,255 101.5%
3 (株)長印 長野市 38,777 102.1%
4 長野県酒類販売(株) 長野市 37,760 95.5%
5 (株)丸水長野県水 長野市 35,199 94.6%
6 長野県農協直販(株) 長野市 25,949 102.0%
7 丸西産業(株) 飯田市 9,292 120.8%
8 飯山中央市場(株) 飯山市 7,700 105.3%
9 (株)マイパール長野 安曇野市 5,869 72.0%
10 ベイクックコーポレーション(株) 長野市 5,821 89.8%
11 (株)マルチョウ長野青果 長野市 4,792 106.5%
12 (株)外松 飯田市 4,728 97.4%
13 (株)丸勇青果 松本市 4,680 101.1%
14 (株)アグリンフレッシュ 松本市 4,307 99.6%
15 (株)ナガレイ 長野市 4,081 107.2%
16 (株)飯田青果 飯田市 4,078 95.0%
17 (株)長印須坂青果市場 須坂市 3,686 103.6%
18 (株)神印信州青果(株) 中野市 3,556 105.4%
19 (株)戸田屋 飯田市 3,376 102.3%

(単位 百万円)