紙・出版・印刷業界 全国動向

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国内最大手の製品生産量はカタログやポスター、POPなどの商業印刷向け、コピー用紙等情報用紙の需要が順調に推移したことから、平成20年まで5年連続で増加した。しかし、平成21年に入るとリーマンショックによる不況の影響を受け、同年の内需実績は2,791万トンと大幅に減少した。その後今日まで回復は無く、年間生産量は2,700~2,800万トンの範囲内の推移に留まっている。内需が伸び悩む主な要因に、電子媒体へのシフトや環境への配慮からペーパーレス化が進んでいるためとみられる。また国内需要の鈍化を受け、業界最大手である王子製紙では中国の工場展開、GSペーパー&パッキング(マレーシア)の買収、業界2番手である日本製紙でもオーストラリアンペーパー(豪州)を買収する為、近年海外展開を進めており、中国をはじめアジア新興国からの需要も鈍化していることで、売上は伸び悩みが続いている。こうしたなか、大手企業は国外での工場展開や海外企業買収など、海外市場を模索する動きを加速させている。

出版業で従業者4人以上の事業所は全国で2,000社余りを数え、そのうち90%以上が中小零細企業で構成されている。3社(ベネッセコーポレーション、KADOKAWA、ぴあ)で業界全売上高の7割強を占めている。また、公益社団法人全国出版協会の公表資料によると、平成26年の書籍・雑誌の推定販売金額は前年比4.5%減の1兆6,065億円と発表。10年連続のマイナスであり、昭和25年の調査開始最大の落ち込みとなった。書籍・雑誌の販売の低迷には複数要因があると見られ、その一つとして近年普及が進んでいるインターネットを利用した電子書籍市場の成長が上げられる。電子書籍業界へは印刷、出版業者はもとより、NTTドコモやKDDI、ソフトバンク等携帯キャリア、TSUTAYA、紀伊国屋書店など大手書籍小売業者をはじめ異業者の進出が著しく、今後同業界市場の一層の規模拡大が期待されるところである。

紙・出版・印刷業界 長野県内動向

平成25年の長野県工業統計調査によると、従業者4名以上の紙・パルプ製造業者数は100(全体の1.9%)であり、その前年である平成24年調査時より4事業所減少している。従業者数に関しても2,145人(全体の1.1%)であり、事業所数減少を受け従業者数も80名減少している。製造品出荷額等は797億円(全体の1.6%)であり、これも前年と比較して29億円の減少。これは全国的な流れに順じ同業界は縮小傾向にあることを示している。

長野県の出版・印刷業には老舗企業が多く、信濃毎日新聞、カシヨ、蔦友印刷などはそれぞれ100年以上の事業歴を有する。また日本の出版界に於いては岩波書店、筑摩書房、理論社など、長野県出身者の活躍が目立ち、「教育県」「出版王国」のイメージが今なお色濃く残っている。

長野県紙・出版・印刷業 平成26年度売上高ランキング

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順位 社名 所在地 売上高 対前年度比伸長率
1 信濃毎日新聞(株) 長野市 19,643 100.8%
2 東京法令出版(株) 長野市 4,293 95.1%
3 三洋グラビア(株) 伊那市 3,109 103.0%

(単位 百万円)