セイコーエプソンは部品の組み立てラインなどで使用する新型の搬送ロボットシステムを開発した。多数の部品の入った箱を振動させて散らし、カメラで部品の表側や位置を認識し、ロボットがつまんで運ぶ。部品を箱に入れるだけで素早く効率的な自動搬送作業が可能になる。多品種少量生産の自動組み立て作業に威力を発揮できるとして、欧米で売り込む。

新型システムは「RS3」と呼ぶ既存の多関節ロボットとカメラに新たに開発した振動台を組み合わせた。台には4カ所に振動発生装置が組み込まれている。振動の仕方を巧みに制御することで、箱に入った部品を動かして部品を散らす仕組みだ。カメラが表側になった部品だけを認識し、ロボットで取り上げて並べる作業が簡単に自動化できる。

箱には裏側になった部品や積み重なった部品が残る。そこで再び箱を揺らして部品を散らし、表の部品だけを取り上げる作業を繰り返す。あらかじめ部品の画像を登録しておき、部品を箱にそのまま入れるだけで済む。新システムを応用すれば、多種多様な部品を順番に整理しながら搬送するといった作業に向いている。

新型システムは振動で部品をロボットに近い場所に寄せることもできる。ロボットは最短距離の移動で部品をつかむことが可能で、秒単位の高速搬送が求められる現場の生産性向上にも役立つ。セイコーエプソンはロボットに加え、画像認識技術に振動台というアイデアを組み合わせることで、製造現場で使いやすいシステムに仕上げた。価格は1システムで約300万円からとなる。6月から米国で受注を始めたのに続き、今秋から欧州で販売を始める。日本でも将来販売したい考えだ。

セイコーエプソンは多様なタイプの産業用ロボットを製造しているが、今回の機種は「スカラロボット」と呼ばれている。小型・省スペースのロボットで、小回りがきく作業ができるため、精密小型部品の搬送・組み立て分野に適している。セイコーエプソン自身も工場内でロボットを使用している。こうした実績を生かし、製造現場の実態に合わせて使いやすい機能を付加することでロボットの需要を開拓する。
参考:日本経済新聞2019.08.19

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