日信工業は30日、ホンダと日立製作所が設立する自動車・二輪車部品関連の新会社に経営を統合すると発表した。同社は売上高が県内でも上位に入る企業。二輪車などのブレーキ関連製品の製造に必要な部品は県内企業からも調達しており、経営統合でサプライチェーンに変化が起きれば地元へも影響がありそうだ。

統合に向け、ホンダが同社をTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化する方針。成立すれば同社は上場廃止となる見通し。川口泰社長は同日、都内での記者会見で「統合で企業競争力が短期間で向上する」とした。統合による具体的な人員配置や生産体制の変更などには明言を避けた。

日信工業の創業は1953年で、二輪車や自動車のブレーキ関連部品が主力事業だ。本社は東御市で国内外の生産拠点は11箇所。筆頭株主のホンダは2019年3月末時点で35%の同社株を保有し、ホンダ向け売上高は全体の約7割を占める。

日信工業の19年3月期の連結売上高は1896億円。長野経済研究所の三井哲専務理事は「経営統合で県内のサプライチェーンが変わる可能性が高い。同社からの発注が県外に行けば県内経済にマイナスになりかねない」と指摘する。

日本経済新聞2019.10.30