長野県諏訪地域のものづくり企業や信州大学工学部などが参加する「SUWA小型ロケットプロジェクト」の開発チームは、超音速に耐えるロケット機体の形状を設計・開発することに成功した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、小型の模型を使った実験で空気抵抗などの性能を確認した。今後は推力の高いエンジン開発などに取り組み、2020年春の打ち上げを目指す。

音速を超える場合は空気抵抗が非常に大きくなり、衝撃波が発生する。従来の機体形状のままでは正常に飛行できないとされる。同チームは今回、形状や長さ、直径を変えた3種類のロケットの模型を用意し、JAXAの施設で実験した。

「風洞実験」と呼ばれており、ロケットの飛行速度が上昇して超音速に達する中で、空気がどれだけスムーズに流れるのかを示す「空気抵抗係数」を測定した。実験の結果、音速超えに対応できる最適な機体形状を明らかにすることができた。

同チームは超音速ロケットの機体モデルも試作し、このほど同県諏訪市で開催された工業展示会「諏訪圏工業メッセ」で公開した。従来のロケットの先端部は緩やかな曲面形状になっているが、音速超えではとがった形状になっているのが特徴だ。

今回の成果を活用すれば、安全にロケットを打ち上げるためのコンピューターシミュレーション技術の開発にも役立つ。

同プロジェクトでは安全で身近なプラスチック素材を燃料に使える「ハイブリッドエンジン」を採用し、機体には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で製造している。機体開発と合わせて、超音速に到達する推力を出せるエンジンの開発なども進めている。

同プロジェクトは2015年度から毎年小型ロケットの性能を高めて打ち上げている。これまでに音速の0.8倍程度まで達成できており、5号機となる2019年度は初めて音速超えの飛行を目指している。自動車部品や金型などを製造している諏訪地域の企業が多数参加して開発チームをつくっており、超音速ロケットの開発で本業の技術力の高さをPRしていきたい考えだ。

参考:日本経済新聞2019.10.28

長野県は産学官の取組も盛んな県です。優良な中小企業がひしめく中、それぞれの強みをだし、またそれらが学術機関のより高い専門性と融合することで日本を代表するような製品やサービスが生まれていくことも現実味を帯びてきています。特に諏訪地域は中小の製造業が多く、また企業同士の中もよい地域の一つです。モノづくりをエンジニアとして一生の仕事に、信州、長野県でそれを実現することができます。