観光・余暇サービス業 全国動向
公益財団法人の「レジャー白書2015」によると平成26年の余暇市場は72兆9,230億円(前年比0.6%)と微増となった。市場規模が突出して大きいパチンコ・パチスロを除くと、2.0%増(前年比2.1%増)となった。特に観光・行楽部門が2年連続して大きく伸び、多くの分野で回復傾向が見られた。年後半の消費増税の駆け込み需要も拡大要因となった。
観光・余暇サービス業 長野県内動向
長野県商工部がまとめた平成26年1月1日から12月31日までの県内の観光地の利用者数は延べ8,418万人(対前年比1.6%減)、観光消費額は2,974億円(同5.5%減)となった。推移を見ると平成3年をピークに長野冬季五輪が開かれた平成10年以降減少傾向が続いている。
自然豊かな環境や、関東や中京圏から近いという恵まれた立地により、長野の観光業は順調に発展を続け基幹産業となってきた。中でもスキーは観光資源の代表として、長野県経済に大きな影響を与えてきた。長野県観光部スキー・スケート場の利用統計調査結果によると、スキー場利用者数はピークとなる平成4年の2,119万人に対し、平成22年度には661万人と激減した。近年の状況は平成25年度は2月に記録的な大雪の影響で全スキー場で前年同月を下回り、苦戦を強いられたが、各スキー場のプロモーション活動、サービスやイベント等の実施により緩やかにスキー客の増加傾向が継続している。なお、近年は長野県内スキー場の運営は県外資本の企業が担うケースが増えている他、スキー場運営ノウハウを持つ企業が運営の受託を行うケースが増えているのも特徴の一つ。
長野県内の観光・余暇業売上ランキングによると、トップ10の内8社はパチンコ店を経営している企業で、この4社がパチンコ店とホテル、有料老人ホーム、ボウリング場、レストランを併営。パチンコ店経営以外でトップ10入りしたのはルートインジャパン(株)と(株)共和コーポレーション2社のみであった。
1位の三公商事(ときめきの街あさひグループ)は中信地区を除く東、北、南信及び関東で店舗展開しており、2位に大きな差をつけて業界1位の座をキープ。2位ルートジャパンは「ホテルルートイン」等を全国展開しており、M&Aや新規店舗展開で店舗数を伸ばしており、海外を含むグループ企業で展開するホテル数は258店舗を上回っている。10位ココネットは「パゴパゴ」の他、レストラン「コックボーイ」、炭火焼肉「牛角」を経営。11位の東洋観光事業はアルピコグループの1社で、ホテルブエナビスタ、ホテル翔峰等のホテル事業、ゴルフ場等の経営を行っており、グループ内ではアップルランド、アルピコ交通に次ぐ売上を誇る。
長野県観光・余暇サービス業 平成26年度売上高ランキング
順位 | 社名 | 所在地 | 平成26年度 売上高ランキング |
対前年度比 伸長率 |
---|---|---|---|---|
1 | (株)三公商事 | 岡谷市 | 85,747 | 90.3% |
2 | ルートインジャパン(株) | 上田市 | 72,096 | 108.7% |
3 | (株)アメニティーズ | 東御市 | 34,863 | 99.2% |
4 | 共和観光(株) | 松本市 | 30,292 | 102.9% |
5 | (株)サンエイ | 長野市 | 24,773 | 94.7% |
6 | (株)ジン・コーポレーション | 松本市 | 19,101 | 87.2% |
7 | (株)サンティア | 諏訪市 | 13,986 | 83.2% |
8 | (株)共和コーポレーション | 長野市 | 13,268 | 167.3% |
9 | (株)アドバンス | 須坂市 | 12,368 | 100.7% |
10 | (株)ココネット | 東御市 | 10,251 | 97.0% |
11 | 東洋観光事業(株) | 茅野市 | 6,706 | 102.8% |
12 | (株)ギガ・ジャパン | 松本市 | 6,000 | 90.9% |
13 | (有)メトロ商事 | 長野市 | 5,648 | 79.9% |
14 | (株)フォンス | 軽井沢町 | 5,000 | 114.9% |
15 | (株)アークホテル | 上田市 | 4,861 | 108.7% |
16 | (株)サーチ | 伊那市 | 4,582 | 97.4% |
17 | 富岡開発(株) | 松本市 | 4,106 | 107.9% |
18 | (株)池の平ホテル&リゾーツ | 立科町 | 3,904 | 107.8% |
19 | (株)新生 | 長野市 | 3,506 | 84.0% |
20 | (株)あっぷるアイビー | 須坂市 | 3,041 | 94.6% |
(単位 百万円)