株式会社IHI回転機械エンジニアリング
精密と信頼の結晶、IHIグループのものづくり拠点
- 所在地
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東京都江東区東雲1丁目7番12号
企業レポート
株式会社IHI回転機械エンジニアリング 辰野事業所 – 企業分析レポート
長野県辰野町にある株式会社IHI回転機械エンジニアリング 辰野事業所について、中途採用・第二新卒で製造職として勤務を検討する方向けに、企業概要から就業環境、待遇まで詳細に分析します。IHIグループの一員である同社の辰野事業所は、船舶用過給機や各種コンプレッサー等を手掛ける重要拠点です。以下では、8つの観点ごとに最新の実在情報をもとに解説します。
1. 会社概要と辰野事業所の役割
IHI回転機械エンジニアリングはIHIグループの回転機械分野における中核企業で、2017年に旧IHI回転機械社とIHI本体の事業部門の統合により発足しました 。本社所在地は東京都江東区東雲一丁目(豊洲地区)で、単体従業員数は約1,153名(2023年4月時点)に上ります 。資本金は10億3,350万円で、東京・神奈川・長野・滋賀などに拠点を構えています 。主な事業内容は、産業用圧縮機(コンプレッサー)、化学機械(遠心分離機)、大型過給機(ターボチャージャー)、油圧モータ・ポンプ、歯車装置、給油装置などの開発・設計・製造・販売で、プラントの据付やメンテナンス・アフターサービスまで一貫して手掛けています 。同社は流体解析や構造解析など最先端技術を駆使し、日本初の高性能ターボコンプレッサーや世界最高水準の耐久性を持つWN型レシプロコンプレッサーを開発するなど、業界のパイオニアとして高い評価を得てきました 。
辰野事業所(辰野工場)は長野県上伊那郡辰野町に位置し、IHI回転機械エンジニアリングの主要生産拠点の一つです。同事業所では高速回転機械製品の開発・製造を担っており、具体的には以下のような製品群を手掛けています。
• 産業用コンプレッサー:空気を圧縮してエアを作り出す機械で、工場の設備駆動など多くの産業の動力源となります 。空気圧工具(例:タイヤ交換時のインパクトレンチ)など、身近な場面でも利用されています。種類として、工場等で使うエアコンプレッサーや、化学プラント向けのプロセスガスコンプレッサーがあります 。
• 舶用過給機(ターボチャージャー):船舶エンジンに取り付け、過給によってエンジン出力を高め燃費向上や排ガス浄化に貢献する機器です 。車のターボと原理は同じで、馬力アップや効率改善のため大型船に不可欠です。
• 油圧モーター:港湾クレーンや船舶クレーンの駆動に使われるモーターで、大きなトルクを生み出す重工業製品です 。
• 小型バイナリー発電装置:比較的低温の熱源(約70℃のお湯など)から発電できる装置で、温泉地の排熱発電用途などに利用されます 。辰野事業所では近年になって生産を開始した新製品分野で、温泉熱など再生可能エネルギーの有効活用に寄与しています。
これら辰野事業所製造の製品は、高速回転する羽根車(インペラ)など流体機械の要素技術を凝縮したもので、IHIグループ内でも高い専門性を持つ領域です 。辰野事業所は製造に特化した拠点であり、製品の販売後のサービス・メンテナンスは全国各地の事業所・サービス拠点が担当しています 。一方で、本社や他拠点では遠心分離機や自動給油装置など辰野以外で扱う製品もあり、グループ全体で製品ラインナップを補完しています 。
歴史的に見ると、辰野事業所は旧IHI回転機械社の主要工場として1965年に創設され、かつて存在した木曽工場とともに事業を開始しました 。その後、2007年に他社との合併で社名変更(現社名の前身)を経て、2017年の事業再編によって現在の「IHI回転機械エンジニアリング」となっています 。長年にわたる合併・統合により、製造から販売、サービスまで製品ライフサイクル全体をカバーできる企業へと進化してきたことが特徴です 。辰野工場で培われたものづくり技術と、IHIグループ全体のリソースを融合することで、社会の発展に貢献する高性能な回転機械を提供し続けています。
2. 辰野町の就業環境(アクセス・住環境・通勤利便性)
アクセス・交通:辰野事業所はJR飯田線「宮木駅」から約0.5~0.6km(徒歩7分程度)の立地にあり、公共交通機関での通勤も可能です 。電車通勤者には会社から定期券代が全額支給されるため、電車利用の負担は軽減されます 。もっとも、飯田線は本数が限られるローカル線であり、周辺地域では自家用車通勤が一般的です。辰野事業所でも多くの社員がマイカー通勤を利用しており、敷地内には従業員用駐車場も整備されていると見られます(会社規定に基づき通勤手当を支給) 。辰野町は中央自動車道の伊北ICや塩尻ICにも車で20~30分程度と比較的近く、高速道路経由で名古屋方面や首都圏方面へのアクセスも可能です。周辺の岡谷市・塩尻市(各車で約20~30分)、伊那市(同20分強)など中小都市からの車通勤圏内にあり、居住地の選択肢も広がります。
住環境:辰野町は長野県南部(上伊那地域)に位置する人口約1.8万人の地方都市です 。豊かな自然環境に囲まれ、夏にはゲンジボタルが飛び交う「ほたるの里」としても有名で、落ち着いた暮らしができる地域です。町内にはスーパーや医療機関など基本的な生活インフラが揃っており、日常の利便性は確保されています。大規模な商業施設や娯楽施設は少ないものの、車で移動すれば諏訪エリア(岡谷・諏訪)や伊那エリアのショッピングセンター等を利用できます。首都圏など大都市に比べると家賃や物価は低めで、同社も転勤者には借上社宅(会社契約のアパート)を用意するなど住宅面のサポートを行っています 。実際、辰野事業所には独身寮が1ヶ所あり、それ以外の地域では会社が借上げたマンション・アパートに入居する制度が取られています 。このため、遠方から赴任する場合でも住まいの心配は比較的少なく、地域になじみやすい環境と言えます。
通勤利便性:上述のように宮木駅から徒歩圏内であるため、電車・徒歩通勤も可能ですが、地方の特性上自動車通勤の利便性が高いです。会社は通勤手当を支給し、電車通勤の場合は定期代全額負担、車通勤の場合も規定に沿ってガソリン代等が支給されます 。また、自動車・バイク通勤OKの職場であるため、天候に左右されず広範囲から通勤できるのも魅力です。辰野町内や近隣に住む場合は渋滞も少なく通勤時間が読めるでしょう。逆に電車の場合、飯田線は本数が少ないため、勤務時間に合わせた時刻に限定されますが、会社は始業8:00に合わせたシフトとなっているため通勤列車の混雑は緩やかです。総じて、地方ならではのマイカー通勤中心の環境でありながら、公共交通利用者への補助も手厚く、各人の状況に応じた通勤手段を選択できます。
3. 勤務形態と労働環境(勤務時間・休日制度・残業・夜勤の有無等)
勤務時間:辰野事業所(工場部門)の勤務時間は8:00~17:00(休憩1時間、実働8時間)です 。本社や営業所(サービス拠点)は8:30~17:30が定時のため、製造現場は30分早めの始業となっています 。基本的に日勤の1シフト制であり、定常的な夜勤は行われていません 。そのため、生活リズムは昼型で安定しやすく、交替勤務特有の負担は少ない職場と言えます。
休日・休暇:休日は完全週休2日制(土・日)が基本で、加えて祝日、年末年始、ゴールデンウィーク(5月連休)、夏季休暇、盆休暇など長期休暇があります 。年間休日数は125日(2024年度実績)と製造業としては比較的多く設定されています 。※会社カレンダーによって祝日が出勤日となる場合がありますが、その際は他の平日に振替休日を取得する運用です 。実際、「年に1回程度、会社の都合で休日出勤が発生する可能性がある(振替休日あり)」と就業条件にも明記されています 。もっとも、繁忙期を除けば休日出勤は稀で、有給休暇と合わせ5連休のリフレッシュ休暇を取得する社員もいるなど、まとまった休みも取りやすい環境です 。
有給休暇:年次有給休暇は初年度から年間22日付与されます (4月入社の場合)。有給は時間単位でも取得しやすく、会社として連続休暇(4日以上の有給消化)を奨励しており、「必ずリフレッシュ休暇を取得するよう指示がある」「一般的にかなり休みが取りやすい」との社員口コミもあります 。有給取得の実績も良好で、年間平均取得日数は15.8日(2020年度実績)と、半分以上の有休が消化されています 。さらに慶弔休暇や産前産後休暇・育児休業などの特別休暇制度も整っており、私生活上の事情に合わせて柔軟に休める体制です 。実際、「子供の急病時にも有給やチャイルド休暇を気兼ねなく使えた」「上司も休暇取得に理解がある」といった声もあり、職場全体で休暇を取りやすい雰囲気があります 。
残業(時間外労働):同社では働き方改革にも取り組んでおり、直近の月平均残業時間は約14.8時間(2021年度実績)となっています 。これは1日あたり1時間未満の残業に相当し、製造業界ではかなり抑えられた水準です。繁忙期や部署によって多少の変動はありますが、口コミでも「繁忙期以外は有給休暇が取得しやすい」「リフレッシュ休暇で5連休取得も可能」とのコメントがあり 、計画的に残業・休出をコントロールしている様子がうかがえます。もちろん、業務状況によっては一時的に残業が増えることもありますが、その場合も残業代は全額支給されます(求人票にも「残業手当有」と明記) 。また、深夜労働が発生するような交替勤務ではないため、通常は深夜残業も発生しません。働き方に関する制度面では、フレックスタイム制が一部導入されています 。ただしフレックスは主に設計開発部門等の裁量が大きい職種向けであり、製造現場では定時勤務が基本です。
総合すると、辰野事業所の勤務形態は「日勤&土日休み」が基本となり、年間休日も125日と充実しています 。残業は月15時間前後と過度ではなく、ワークライフバランスを保ちやすい環境です。年に一度程度の休日出勤の可能性はあるものの、その際は振替休日で対応し、有給も取りやすいためプライベートの時間を確保しやすい職場と評価できます。夜勤が無い点も、生活リズムを安定させたい方には魅力的でしょう。
4. 給与・待遇(初任給・手当・賞与・年収モデル)
エージェント経由で入社した方の傾向がありますので、ご希望の方は担当エージェントにお問い合わせください。次のものは一般的な公開されている情報からの傾向です。
初任給(新卒の場合):2024年度実績では、大学学部卒の初任給が月給27万円、大学院修士了で月給29万4,500円、高専卒23万6,500円となっています 。この水準は長野県内の製造業としては高めで、例えば学部卒(22歳)の想定年収は約4~5百万円台になります(基本給×12ヶ月+賞与) 。昇給は年1回(4月)あり 、多くの社員が入社後1年で昇給を経験しています(人事制度上、毎年ほぼ全員の給与がベースアップ)とのデータがあります 。実際の昇給幅は能力評価によりますが、若手のうちは毎年数千円~1万円程度昇給し、定期的に基本給が上がっていきます。
賞与(ボーナス):賞与は年2回(6月・12月)支給され、2024年度の支給実績は年間5.5ヶ月分(基本給比)と非常に高水準でした 。例えば基本給27万円の学部卒新入社員の場合、年間賞与の総額は約148万5千円となり、初年度年収は約500万円弱になります。賞与額は業績と個人評価に連動しており、「同期でも成果によってボーナスに差がつく」との声もありますが、「ボーナス額は同業他社より良い金額で、働いた分しっかり返ってくる」と社員から高く評価されています 。IHIグループとして業績連動賞与を導入しつつも、重工業メーカー平均より手厚い水準を維持している点は魅力です。なお賞与以外に業績特別一時金などはありませんが、その分基本給・賞与に反映されています。
中途採用者の給与:中途・第二新卒で入社する場合の処遇は、経験・能力に応じ個別に決定されます。求人情報によれば、30歳前後の技術系総合職の場合で想定年収500~830万円(基本給28.5万~41.5万円+残業代+賞与)のレンジが提示されています 。実際のモデル年収例として、30歳(入社6年目)で年収約600万円、35歳(入社11年目)で約740万円とのデータがあります 。これは大卒で新卒入社したケースに近い想定ですが、中途でも同年代ならほぼ同水準が期待できることを示しています。役職や専門性によってはこのレンジを超える待遇も可能で、例えば係長クラス以上になれば年収800万~900万円台が見込まれます 。一方、第二新卒など実務経験が浅い場合は新卒初任給に準じた水準からのスタートとなりますが、前職給与や年齢も考慮して決定されます。昇給・賞与の制度は新卒と同様で、成果次第で早期に昇格・昇給する道も開かれています。
諸手当:基本給以外の主な手当としては、通勤手当(公共交通の定期代は全額会社負担、車通勤も距離に応じ支給) 、時間外手当(法定割増率で全額支給)、深夜手当(現在夜勤はないが万一深夜勤務時は支給)、休日出勤手当などが完備されています。家族手当や住宅手当は明示的にはありませんが、代わりに社宅制度(後述)があるため実質的な住宅補助となっています。また、転勤時には引越費用負担や赴任手当が支給されます。なお、地域手当の類(都市圏勤務者への加算)は特に無く、一律の給与テーブルです。賞与については上述の通り厚遇ですが、加えて業績優秀者には賞与への評価反映や社長表彰による報奨金などの仕組みもあります(ボーナス査定に個人業績を反映) 。
年収モデル・平均: 同社全体の平均年収は公開されていませんが、東洋経済新報社「四季報」のデータなどから正社員平均年収はおおよそ600~650万円程度と推測されます(IHIグループの一角としては中堅規模企業の平均的水準)。またDODAの業界データによれば、30代前半男性の平均年収が約436万円、40代前半で約516万円という統計もあり 、同社はこれより高めのレンジで推移していると考えられます。社員の口コミでは「女性としても給与水準は良い」「成果を出せばその分報われる」との声があり 、年功序列に加えて業績主義も一部取り入れたバランスの取れた処遇となっています。
総じて、初任給水準の高さと賞与5ヶ月超という厚い賞与が魅力であり、20代でも年収500万円台、中堅で600~700万円台が狙える待遇です。長野県内の製造業ではトップクラスの給与レンジと言え、中途入社でも前職水準を上回る事例が多く見られます。安定した収入に加え、手当・福利厚生も充実しているため、安心して長期的なキャリア形成ができるでしょう。
5. 福利厚生(住宅手当・寮・社食・育児支援・各種制度)
IHI回転機械エンジニアリングはIHIグループ企業として福利厚生制度が整っており、社員の生活を多角的にサポートしています。代表的な福利厚生を以下にまとめます。
• 住宅関連(寮・社宅):独身寮および社宅制度があります。辰野事業所には独身寮が1棟あり(社員寮「いずみ寮」等と呼ばれる)、必要に応じて独身の若手社員が低廉な費用で入居できます 。また、転勤者や既婚者向けには社宅(借上社宅を含む)を用意しており、規定に基づき新婚社宅・転勤社宅が提供されます 。実際、辰野事業所向けには写真にあるような社宅アパートがあり、それ以外の地域では会社が契約したマンション・アパートに入居する形です 。住宅費用の一部は会社負担となり、自己負担は相場より抑えられています。※住宅手当として給与に上乗せする形ではなく、社宅提供による実質的な補助となっています。
• 通勤手当:通勤費は会社規定により全額支給されます 。電車通勤の場合、定期券代を全額会社が負担し、自動車通勤の場合も距離に応じたガソリン代・高速代等が支給されます 。無料駐車場も事業所に完備されています。公共交通利用者には定期代支給、在宅勤務者には通信費補助(※後述)など、働き方に応じて配慮されています。
• 社会保険・退職金:社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)で、健康保険はIHIグループ健康保険組合に加入します 。健康保険組合の直営保養所や提携宿泊施設が利用可能で、家族も含めた健康増進サービスがあります。また退職金制度もあり、確定給付年金(企業年金)および確定拠出年金を組み合わせた形で退職後の資金形成を支援しています 。定年は原則60歳ですが、再雇用制度(65歳までの継続雇用)も整備されており 、希望者は定年後も再雇用で勤務可能です。
• 財産形成支援: 社員の資産形成を支援する制度が充実しています。具体的には財形貯蓄制度、積立共済年金、住宅資金融資制度、教育資金融資制度などが利用できます 。さらに社員持株会があり、IHI株を毎月積立購入することで会社から奨励金(補助)も受けられます 。長期的な財産形成や将来の資金需要に対応できるよう、多様なメニューが用意されています。
• 健康管理: 定期健康診断は年1回全社員に実施されるほか、人間ドック受診補助やメンタルヘルス相談窓口の設置なども行われています 。インフルエンザ予防接種の社内実施(補助)や産業医面談など、社員の健康維持に力を入れています。労働災害保険に加え、IHIグループ保険(団体扱い保険)にも加入でき、万一の病気・災害時の保障も厚くしています 。
• 育児・介護支援: 産前産後休暇および育児休業の取得実績は高く、男女とも利用可能です(男性の育休取得例もあり)。育休から復帰した社員には短時間勤務制度(時短勤務)があり、同社では子供が小学校卒業まで時短勤務を継続できるため、非常に手厚い育児支援と言えます 。実際「産休・育休を取得後、復帰して時短で働けている」「子供の行事や急病でも有給で対応できる」と女性社員から働きやすさが評価されています 。また、育児短時間勤務中もフレックスタイム制度を活用できるよう推奨しており、育児中の父親社員にも柔軟な働き方を許容する動きがあります 。介護休暇・介護短時間勤務制度も整備され、家族の介護が必要な場合も一定期間勤務時間を短縮可能です。育児・介護と仕事の両立支援制度が法定以上に充実している点は、同社の大きな特徴です。
• 休暇制度: 前述の年次有給休暇に加え、リフレッシュ休暇制度があります 。有給を連続4日以上取得する際に会社から特別に推奨される制度で、多くの社員が5日間程度の連続休暇を取得しています。また、勤続節目休暇(長期勤続者に特別休暇付与)や慶弔休暇、ボランティア休暇なども設けられています 。
• 社内食堂(社員食堂):辰野事業所内には社員食堂があり、昼食などを安価に提供しています 。日替わり定食や麺類などメニューは豊富で、一食あたり400~500円程度で栄養バランスの取れた食事をとることができます(豊洲本社の社員食堂利用者の話では10種類以上のメニューがあり定食は500円程度 )。辰野の食堂もグループ標準的なサービスが提供されており、工場勤務者にとって嬉しい福利厚生です。夜勤がないため夜間営業はありませんが、昼休みには多くの社員が利用しています。また自販機コーナーや休憩スペースも食堂に併設されており、社員同士のコミュニケーションの場ともなっています。
• 在宅勤務制度・副業制度: 技術系職種を中心に、テレワーク(在宅勤務)制度が導入されています 。特に本社や横浜事業所の設計・管理部門ではコロナ禍以降テレワークが定着し、月の半分程度を在宅勤務とする社員もいます(もっとも製造現場の作業者は出社が必要なため、辰野工場の直接部門では適用外)。在宅勤務者には通信費補助もあります。またIHIグループ全体で社内副業制度(グループ内公募制度による兼業)やセカンドジョブ制度が試行されており 、興味のある他部署の業務に参加するチャンスもあります。これらはまだ一部の社員対象ですが、今後拡大が検討されています。
• その他福利厚生: IHIグループの福利厚生パッケージにも加入しており、レジャー施設や宿泊施設の優待、自己啓発支援など各種メニューを割引価格で利用できます 。社内クラブ活動も活発で、例えばテニス部は部員数79名(2015年時点)を数えるなど大所帯で、休日にテニスコートを借りて練習や試合を行っています 。他にも野球部やフットサル同好会、写真クラブ等があり、従業員同士が仕事以外でも交流を深められる環境です。毎年夏には辰野事業所で夏祭り(納涼祭)が開かれ、従業員とその家族を招いて模擬店や抽選会などで盛り上がる社内イベントも開催されています 。このような行事を通じて職場の一体感を高め、家族ぐるみで会社に親しみを持てる雰囲気づくりが行われています。
以上のように、住宅・金銭面から健康・余暇支援まで幅広い福利厚生が整っており、社員の定着率が高い要因の一つとなっています。特に子育て支援や社宅制度などは地域他社と比べても手厚く、長く安心して働ける環境です。
6. 教育・研修制度(OJT・技能講習・資格取得支援)
新人研修・OJT: IHI回転機械エンジニアリングでは「入社後3年間で一人前に自立する」ことを目標に掲げ、新入社員教育に力を入れています 。入社直後は本社にて導入研修(ビジネスマナー、会社制度の説明、安全教育など)を行い、その後現場配属となります。配属後1年間は指導員(メンター)によるOJTが行われ、職場で実務を学びながら定期的にフォローアップ研修も受講します 。新人一人ひとりに「新入社員能力開発3カ年計画」が策定され、計画的に業務知識・技能を習得できるよう支援されます 。例えば、最初の半年は製造現場実習として工場内の各部署を2ヶ月ずつローテーションし、現場作業を経験する研修があります(実際に「新人は半年近く工場研修で作業者の後ろについて学ぶ」との証言あり) 。これにより製品ができるプロセス全体を理解してから、本配属先の業務に入っていきます。配属後も3年目までは年次ごとにフォロー研修や発表会があり、着実に成長できる仕組みです。
階層別研修: 経験年数や職位に応じた階層別教育プログラムも充実しています 。若手社員向けには「問題解決研修」「コミュニケーション研修」など基礎スキルを、高級社員(中堅)には「マネジメントの原理原則」「リーダーシップ研修」等を実施し、管理職には「経営戦略」「人材マネジメント研修」など、各階層に必要な知識・考え方を習得する場が設けられています 。こうした階層研修はIHI本社主催やグループ合同で行われ、グループ全体の人的ネットワーク形成にも一役買っています。
専門技術研修・講座: 同社およびIHIグループでは、社員の専門スキル向上のため公開講座を多数開講しています 。年間300コース以上に及ぶ講座群があり、例としてビジネススキル研修(プレゼンテーション、プロジェクトマネジメントなど)、語学研修(英語、中国語 等)、各種技術系実務講座(材料工学、流体力学の応用講座 等)が含まれます 。社員は業務に関連する講座を選んで受講でき、会社が受講料を補助します。また、メーカーならではの技能講習も推進しており、玉掛けやクレーン運転、フォークリフトなど製造現場で必要となる資格の取得講習を計画的に受けられます。これらの講習受講や受験にかかる費用も会社負担で、業務上必要な資格取得は勤務扱いで講習に参加できます。現場では作業標準や安全ルールの教育も徹底されており、新人・ベテラン問わず定期的に技能伝承の研修を行っています。
資格取得支援: 社内で推奨する公的資格・免許については資格取得支援制度が設けられています 。受験料補助や教材費補助、取得時の報奨金支給などの措置があり、技術士やエネルギー管理士、溶接検定など多岐にわたる資格取得を奨励しています。 にあるように「資格を取ると報奨金が出る」制度があるため、自己啓発の意欲向上につながっています(ただし社員の声では「できれば毎月の手当として反映してほしい」との意見も見られます )。社内資格としても、溶接や組立の社内検定制度があり、技能レベルに応じた等級が与えられて技能手当に反映される仕組みもあります。
海外研修・語学育成: IHIグループ共通で海外トレーニー研修制度があり、公募で選ばれた若手社員を数か月間海外の関連会社や大学等に派遣する制度があります 。異文化理解や語学力向上を目的としたもので、IHI回転機械エンジニアリングの社員も参加実績があります。英語についてはオンライン英会話やグループ英会話研修を社内で実施しており、技術文書の英訳講座など実務に直結する内容も学べます 。近年は海外プロジェクトも増えているため、希望者にはTOEIC受験支援や中国語講座なども提供し、グローバル人材の育成に努めています。
中途入社者の研修: 中途採用で入社した社員には、新卒とは別途の中途入社研修があります。入社時に会社概要や制度説明、安全衛生教育を受け、その後は各部署でOJTとなります。中途社員の場合、新卒のような長期研修期間はなく、現場で実務に入って経験を積んでいく形です。現場の先輩社員がマンツーマンで教えるOJTが中心ですが、「中途採用は新卒ほど手厚い研修が無く、自主的に動く必要がある」との指摘も一部にあります 。ただし必要に応じて、製品知識習得のための社内講習や、顧客対応が必要な職種では関連法規や品質マネジメント研修への参加もアレンジされます。基本的には、中途社員には即戦力としての活躍が期待されるため、周囲のサポートを受けつつ早期に職場になじむ姿勢が求められます。技術系中途社員についても、IHIグループの公開講座や資格取得支援は新卒と同様に利用できるため、入社後のスキルアップ機会は豊富です。
全体として、社員教育には非常に熱心な企業であり、「研修や自己啓発の機会が多く成長を実感できる」「新入社員研修が長くサポートが充実」といった評価があります 。IHIグループ全体の人材育成理念「人材こそが最大かつ唯一の財産」のもと、定期研修・OJT・資格支援がバランス良く提供され、専門スキルとビジネススキルの両面で着実にキャリアアップできる環境です 。ものづくり技術者として成長したい中途・第二新卒の方にも、恵まれた教育体制と言えるでしょう。
7. 職場の雰囲気・人間関係(平均年齢・チーム体制・離職率など)
社員構成(年齢・性別):同社の平均年齢は約42.9歳(2020年4月時点)で、平均勤続年数は16.6年に達します 。この数字から、ベテラン社員が多く在籍し定着率が高いことが読み取れます。実際、全従業員数994名中、男性823名・女性171名(※辰野事業所含む全社、2018–2019年頃の数値)と公表されており 、女性比率は約17%です。重工業メーカーとしては女性比率は決して低くなく(日本平均は製造業で約10%台前半)、女性技術者・作業者も一定数活躍しています。「女性が働きやすい環境」「育休後も時短で働ける」との口コミがあるように 、ダイバーシティ推進にも注力しています。平均年齢が高めなのは、長期にわたり勤め上げる社員が多い証拠であり、離職率の低さを裏付けています(離職率の公式発表はありませんが、平均勤続16.6年から推定すると年数%程度と考えられます)。中途採用比率も2019年度15%、2021年度11%と適度で 、極端な大量採用・大量離職がない安定した人員構成です。
チーム体制・社風:辰野事業所では、生産本部のもとに製造課や生産技術課、品質保証課など複数の部署があり、製品別・工程別にチームが組まれています。現場作業は少人数チームで行うことが多く、班長・リーダーが進捗管理しながらメンバーが協力して製品を組み立てたり加工したりしています。設計部門や生産技術部門も辰野に配置されており、工場内で設計~製造の一貫したチーム体制が敷かれているのも特徴です 。設計部署は親会社(IHI本社側)と連携しつつ、顧客仕様に合わせた図面作成や製造方法の工夫を担い、生産技術部署は「どの機械を使いどう加工するか」といった製造プロセスの最適化に取り組んでいます 。これらの技術系部署と製造現場が一体となり、クロスファンクショナルなチームで問題解決や品質向上に取り組む社風があります。
同社は歴史が長くベテラン勢が多いため、一見すると落ち着いた雰囲気ですが、実際には「昔ながらの体育会系」というより合理的で穏やかな社風との声が多いです。管理職と一般社員の関係もフラットで、「社員にも管理職にも同等に休暇取得などルールが適用され、無理な残業を強いるような風潮はない」と評されています 。平均年齢が40代と高めなことから、中堅・ベテランの知見が豊富で面倒見が良い先輩社員が多いのも特徴です。入社した若手に対してOJTで丁寧に指導し、技術を教え込む文化が根付いています。重厚長大産業のため一人前になるのに時間がかかることを皆が理解しており、新人・若手を長い目で育成する懐の深さがあります。
職場の雰囲気: 社員の口コミからは、「穏やかな人が多く人間関係は良好」「和気あいあいと仕事できる」といった声が聞かれます。一方で、「最近の若手はおとなしい人が多い印象」と感じている管理職もおり、「自分で考えて動けるような元気で積極的な人に入ってきてほしい」という期待もあるようです 。実際、会社としては社内に活気をもたらす積極性のある人材を歓迎しており、社員家族参加の夏祭りを開催したりクラブ活動を推進するなど、明るく交流しやすい雰囲気作りに努めています 。その甲斐あって、アットホームで家族的との評価もあります。特に辰野事業所は地方工場ということもあり、従業員同士が顔見知りになりやすく、部署を超えて協力する風土があります。困ったときはお互い様で助け合う文化が根付いており、「製造現場と設計が距離近く相談しやすい」のも魅力です。
離職率・定着率: 公式な離職率データはないものの、平均勤続年数から見て定着率は高めです。新卒で入社した社員が長く勤め上げるケースが多く、「勤続20年以上の社員も多数」「辞めていく人は少ない」との証言があります。転職口コミサイトにも退職理由を問う投稿は少なく、ブラックな要素が原因で辞めるという話はほとんど見当たりません。むしろ「不満があるとすれば給与面だが、それも待遇は良い方」という意見や、「部署によって忙しさに差があるのでキャリアチャレンジで異動も可能」と前向きな声が多い印象です。もちろん個人によって合う合わないはありますが、総じて安定志向の社員が多く、腰を据えて働ける会社と評価されています。
地域性: 辰野事業所は精密機械メーカーが集積する上伊那・諏訪地域にありながら、重工業的な大物製品を一品一様で製造するという点で周囲の企業と一線を画しています 。社員も「量産ではなく顧客ごとにオーダーメイドの製品を作る形は、この辺りでは珍しい」と語っており 、自分たちのものづくりに誇りを持っています。大きな回転機械を相手に日々創意工夫しながら仕事を進めるため、職人気質で真面目な人が多いですが、同時に新しいチャレンジも受け入れる柔軟性があります。若手でも提案すれば任せてもらえる風土があり、「勢いよく語る若手社員が仕事の楽しさを全身で伝えてくれた」という地元メディアのインタビュー記述もあります 。こうした様子から、前向きにものづくりに没頭できる雰囲気が感じられます。
人間関係: 年代・職種を超えたコミュニケーションも活発です。現場とスタッフ部門の溝は小さく、例えば製造現場の課題解決に品質管理や生産技術のスタッフが一緒になって取り組むといった協働が日常的に行われています 。上司と部下の関係もフレンドリーで、「上司が部下の声に耳を傾ける」「管理職でも現場第一主義で動いている」との印象です。パワハラなどの話題も特段聞こえてこないため、人間関係のストレスは少ない職場と考えられます。むしろ社員の仲が良いので、転勤等で辰野を離れる際に惜しまれることも多いようです。
また、女性社員に対するサポートや配慮もあり、以前には女性だけのプロジェクトチーム「チーム・グリーンパスポート」を結成して製品PRに取り組むなど、女性の活躍推進策も取られてきました 。管理部門では女性管理職も誕生しており、性別に関係なく意見しやすい風土があります。育児中の社員には周囲が業務調整でフォローする等、チームで助け合う文化が感じられます 。
総評: 職場の雰囲気は穏やかでチームワークが良く、人間関係の満足度は高いと言えます。社員の平均勤続が長いことからも、居心地の良さが伺えます。ものづくりへの情熱と家族的な温かさを併せ持つ職場なので、中途入社者も受け入れられやすく、実際に「転職者でも馴染みやすい」との声があります。離職率が低いため欠員補充以外での中途採用は少なめですが、これは裏を返せば長く働ける魅力が多いことの証でしょう。製造現場というと閉鎖的なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、同社辰野事業所はオープンマインドで働きやすい環境が整っています。
8. 成長性・将来性(辰野事業所の事業安定性・製品需要・IHIグループ内での役割)
事業安定性: 株式会社IHI回転機械エンジニアリングの扱う製品は、産業インフラやエネルギー、海運など社会に不可欠な分野で使われるものが中心です。圧縮機(コンプレッサー)は工場の空気圧源から石油化学プラントのプロセスガス圧縮まで幅広く需要があり、船舶用過給機は世界の海運・物流を支えるエンジン効率化に必須です。したがって、景気の波は受けるものの中長期的な需要基盤は堅調と見られます。実際、遠心圧縮機の世界市場規模は2022年で約139億ドルに達し、今後も年平均4.6%程度の成長が見込まれ2031年には216億ドル規模に拡大すると予測されています 。また、往復動(レシプロ)圧縮機市場も2035年までに年率約6%成長と見られており 、グローバルで圧縮機需要は増加トレンドです。このような市場環境下で、同社は高効率・高信頼性の製品開発力を強みにシェア拡大を図っています。
IHIグループ内での役割: IHI回転機械エンジニアリングはIHIグループの回転機械事業の中核会社であり、グループ内で圧縮機・過給機・分離機といった高速回転機械の開発・製造・販売を一手に担っています 。IHIグループ全体で見ても、日本の産業用ターボコンプレッサー事業ではマーケットリーダーの地位にあり 、1970年以降累計1万台以上のターボコンプレッサーを国内外に納入してきた実績があります 。辰野事業所はこれら回転機械製品の主要な生産拠点として、グループ戦略上重要な役割を果たしています。近年IHIグループは「資源・エネルギー・環境」分野を重点事業に位置付けており、同社の圧縮機技術はカーボンニュートラル関連(例:CO₂回収・水素製造)やインフラ老朽化更新需要にも応用が期待されています。IHI本社の経営資源投入も受けながら、グループ全体の成長ドライバーの一つとして期待されています。
製品需要とトレンド: 各製品分野ごとに見ると、以下のような需要動向・将来性があります。
• 産業用圧縮機: 空気圧縮機(汎用コンプレッサー)では、2025年に新シリーズ「TRZシリーズ」を発売するなど製品強化が図られ 、今後アジア市場向けを中心にシェア拡大を目指しています 。汎用圧縮機市場は中国・東南アジアの新興国の産業発展により拡大が見込まれるため、同社はそれら地域に注力しています。またプロセス用大型圧縮機では低温ガス圧縮(LNG関連や化学プラント)の分野で強みを持ち 、欧州・アジアのLNG基地新設・高圧化改造案件が増加していることから、受注増が期待できます 。カーボンニュートラル社会を目指す動きの中で、空気分離装置向け大型圧縮機やCCS(二酸化炭素回収・貯留)向け圧縮機など新規案件が増えており、その需要に対応すべく設計人員を増強するなど積極的な投資を行っています 。実際2020年代に入り、中国・トルコ・東南アジアにサービス拠点を拡大し、生産量の増加に備えているとの情報があります 。
• 船舶用過給機: 海運業界は環境規制強化や燃費改善ニーズから、エンジンの過給機更新・新造船向け需要が堅調です。IHIの舶用ターボチャージャーは国内トップクラスのシェアを持ち、海外展開も進めています。近年は大型船エンジンの高出力化・低燃費化に対応した新型過給機の開発や、DXを活用した予知保全サービスを提供し差別化しています。CO₂削減のための新燃料エンジン(LNG燃料船やアンモニア燃料船など)でも過給機は必要不可欠であり、引き続き安定した需要が見込まれます。辰野事業所では舶用過給機のコア部品を製造しており、IHIグループ全体での脱炭素海運ニーズに応える拠点となっています。
• 遠心分離機・分離装置: 遠心分離機(デカンタなど)は食品・化学・環境分野で需要があります。同社の分離機事業は長年培った技術を持ち、国内シェアも一定です。近年では上下水処理施設の汚泥脱水や食品工場の廃液処理向けなど公共・民需からの引合いが安定しています。分離機については滋賀県の堅田事業所でも生産していますが、辰野でも一部製造しています。環境分野の需要増もあり、この事業は堅調推移と見られます。
• 油圧機器・歯車装置: 油圧モータ・ポンプや大型歯車装置は、IHI回転機械エンジニアリングが取り扱う製品群の一つです。特に港湾クレーン用油圧モータは国内有数のシェアを持ち、世界的クレーンメーカーへの納入実績があります。インフラ投資や港湾設備の更新に伴い、一定の需要が続く見通しです。歯車装置(減速機など)は風力発電向け等も模索しています。これら製品は事業規模としては圧縮機・過給機に比べ小さいものの、ニッチ領域で安定収益をもたらす事業です。
• 小型バイナリー発電装置: 新規事業として期待されるのが、小型バイナリー発電装置です。これは未利用の低温熱を電力に変える装置で、主に温泉地の熱水を利用した発電ニーズに応えます。近年、温泉熱発電が地方創生や再生エネの観点から注目され、導入が進み始めています。同社は2010年代後半から製品化に着手し、辰野事業所で製造しています。まだ市場規模は小さいですが、全国の温泉施設や工場余熱利用などに普及の余地があり、将来の成長分野として開発を続けています 。
以上より、辰野事業所の属する高速回転機械ビジネスは、中長期的にも需要が底堅く、むしろ成長機会が多い分野と言えます。特にカーボンニュートラル関連では圧縮機技術が必須であり、IHIグループ内でも期待の事業です。実際、同社では海外市場への展開を積極化しており、最近では中国・東南アジアだけでなく欧州・中東の案件受注にも力を入れています 。海外サービス拠点の新設やエンジニアの現地派遣研修も進んでおり、「まさに今海外向けに拠点を新しく展開しており、活躍の場がグンと広がる」と社員も語っています 。このようなグローバル展開は大変さも伴いますが、会社としてチャレンジを続けており、今後の事業拡大に直結するでしょう。
技術力と競争力: 同社の強みである流体機械の技術力は国内随一で、長年の研究開発に支えられています。例えば最新の汎用ターボコンプレッサーでは新開発インペラ(羽根車)により従来機種比15%の流量拡大と高効率化を実現するなど、競合他社に先駆けた技術を投入しています 。またデジタル技術との融合にも取り組み、回転機械のIoTモニタリングサービスやリモートメンテナンスを開始しています。IHIグループの総合力(タービン技術や材料技術等)も活かし、競争力強化に余念がありません。こうした技術的優位は市場での高評価につながり、先述のとおり国内ターボコンプレッサー市場でトップシェアを築いています 。国内外の顧客からの信頼も厚く、「日本のターボコンプレッサー事業のマーケットリーダー」というプライドが社員のモチベーションにもなっています 。
将来性まとめ: IHI回転機械エンジニアリング辰野事業所は、親会社IHIの支援のもと安定した事業基盤を有しつつ、新たなニーズ(省エネ・環境対応・海外市場)に対応して成長を続けています。世界的なエネルギー変革の潮流の中で、圧縮機やターボ機械の需要はむしろ追い風を受けています。さらに、同社はグループの中核企業として位置付けられているため、IHI本体からの資本・人材投入も得やすく、事業継続性は高いと言えます。実際2023年度にはIHI本社が事業ポートフォリオの見直しを行いましたが、回転機械事業は今後も維持・強化する方針が示されています(不要不採算事業の整理対象ではない)。よって、辰野事業所の将来性は明るく、安定性と成長性を兼ね備えた職場と評価できます。
地元密着で腰を据えて働きたい第二新卒の方にも、グローバルに活躍したい中途エンジニアの方にも、それぞれにチャンスがあるフィールドでしょう。同事業所は「重工業×地方」の魅力を持ち、景気に左右されにくい強みと新分野への挑戦の両面があります。IHIグループ全体としても「お客様の課題解決に今以上に貢献し、海外展開をいち早く進めていく」というビジョンを掲げており 、辰野事業所もその一翼を担っていくことが期待されています。今後も製品競争力を高めつつ、環境変化に対応し成長を続けることが見込まれます。
まとめ
以上、株式会社IHI回転機械エンジニアリング辰野事業所について、8つの側面から実在情報を基に分析しました。本社機能を持つ中核企業の地方工場というポジションであり、安定した経営基盤と充実の待遇・研修制度を背景に、安心してキャリアを築ける職場と言えます。平均年齢が高く落ち着いた雰囲気の中にも、新たな挑戦やグローバル展開への意欲が感じられ、将来性も十分です。長野県辰野町という自然豊かな土地で腰を据えてものづくりに取り組みたい中途・第二新卒の方にとって、IHI回転機械エンジニアリング辰野事業所は魅力的な応募先です。応募や打診などご相談は担当エージェントへご相談ください。
流れを操る最先端技術、回転機械のトップランナ
株式会社IHI回転機械エンジニアリングは、IHIグループの中核企業として2017年に発足し、高速回転機械製品のパイオニアとして確かな存在感を放っています。
舶用過給機、ターボコンプレッサー、分離装置などの動力源機器は、あらゆる産業の基盤を支える欠かせない存在。その中核を担うのが「流力要素」と呼ばれる高度な流体制御技術であり、同社は日本初・世界トップレベルの技術を誇るターボコンプレッサーや、WN型レシプロコンプレッサーを世に送り出してきました。
設計から製造、メンテナンスまでを一貫して担える体制を持ち、産業界のニーズに応える先進企業です。
辰野から生まれる、技術革新の原動力
長野県に位置する辰野事業所は、IHI回転機械エンジニアリングの製造・開発拠点として極めて重要な役割を担っています。
ここでは舶用過給機や分離装置、コンプレッサーなど、高速回転機械の製品群が一貫して設計・製造され、流体解析技術や構造設計、そして機械要素設計を通じて、日々技術革新が進められています。
とりわけ、環境負荷低減や効率性の向上を見据えた製品設計が進められており、エネルギー効率や耐久性の面で世界水準をリードする技術が、この地から生み出され続けています。
世界で戦える製品を、自らの手で創り上げる
IHI回転機械エンジニアリングの魅力の一つは、グローバルで競争力を持つ製品の開発に、第一線で関われること。
特に辰野事業所では、最新鋭の加工設備や試験施設が整備されており、高精度な製品づくりに挑戦できる環境が整っています。一品一様の製品が多く、エンジニアとしての創意工夫が求められることもやりがいの一つ。
設計や製造だけでなく、試験、解析、改善提案に至るまで、多角的に製品と向き合えるため、技術者として幅広い視点とスキルを養うことが可能です。
安定と成長を両立できるキャリアの舞台
IHIグループの一員としての安定基盤に加え、社員の成長を支える仕組みも整っています。技術力の向上を目的とした社内外の教育機会や、製品に応じたOJT、実践に即した課題解決型の研修など、スキル習得のステージが豊富です。
また、安全第一を貫く社風のもと、現場における着実な作業と品質へのこだわりが根づいており、新たなチャレンジに対しても周囲が支援する風土があります。
専門性を深めつつ、長く腰を据えて働きたい方にとって、理想的な環境といえるでしょう。
自然と技術が調和する土地で働く豊かさ
辰野事業所は、豊かな自然に囲まれた長野県辰野町に位置し、落ち着いた環境のなかでハイレベルな技術開発に従事できる稀有な立地です。
ものづくりの原点である「現場」を大切にしながら、世界に通じる技術を磨けるという、地方とグローバルが交差する魅力を持っています。
都市部にはない、四季折々の自然とともに過ごす暮らしも、生活の質を高める要素のひとつです。地域に根ざしながら、大きな技術革新に貢献するやりがいが、この地にはあります。
求めるのは、理論と実践の両輪で走る姿勢
同社で求められるのは、技術理論への深い関心と、それを現場で活かす実行力。流体・熱・構造といった高度な物理現象に立脚しつつ、それを製品として形にする過程では、実験・観察・検証を繰り返す粘り強さも必要です。
図面通りではなく「本当に機能するか」「お客様の現場で使えるか」を見極める現場視点が欠かせません。
だからこそ、目の前の課題に誠実に向き合える人、自ら学びを深められる人に、活躍のチャンスが広がっています。
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【職種概要】 生産現場における生産ラインの設計・改善・管理など、設備設計や機械加工を中心とした生産技術業務を担当します。...
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月額 200,000~450,000円 賞与:あり 年2回 賞与月数 計5.4ヶ月分(前年度実績)
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休日
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休日:土日祝 週休二日制:毎週 年間休日数:125日
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就業場所
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長野県上伊那郡辰野町伊那富
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