建設業界 全国動向

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社会資本の整備拡充、工業やレジャー産業の発展、大型イベント施設の建設、景気浮揚対策等によって建設投資額は過去順調な拡大をみせてきた。それに伴い建設業者数、就業人口も増加し大きな業界に成長した。その過程で、スーパーゼネコンから準大手、またそれぞれの地域にも大手元請から職別工事、労務提供の下請けに至るまで様々な業者が存在し、ピラミッド型の「重層下請け構造」を形成している。しかし、拡大した建設業は高度経済成長がひと段落しバブル景気が崩壊すると多大な不良資産と負債を抱え、幾つものゼネコンが銀行より債務免除を受ける事態となった。一部には合併再編の動きもあった。
その後、民間設備投資は都市部を中心に商業ビルやマンションなどの再開発の動きが活発化したものの、不動産バブルが崩壊し、活況は続かなかった。公共投資は厳しい財政事情から削減が継続され、罰則を強化し脱談合の流れもあって競争は激しく増す一方である。
民間工事は耐震構造計算偽装事件に端を発し改正建築基準法施工(平成19年6月)の影響やリーマンショック(平成20年9月)後の景気後退、欧州経済危機等により、民間設備投資の減退は、500万人産業に大きな影響を与え、平成22年度迄、建設投資額は減少傾向にあった。平成23年度に入り民間設備投資は増加に転じ、平成24年末には公共事業投資の増大、東京五輪開催決定など業界にとって好材料が整い、平成25年度は消費税増税前の駆け込み需要により民間設備投資は促進、平成26年度は民間設備投資の一服感はあったが、公共投資が下支えした格好となった。

建設業界 長野県内動向

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平成24年経済センサス調査によると、長野県内の建設事業所数は12,953事業所(全産業の11.9%)、従業者数は71,768人(同7.7%)で全国同様大きな業界である。平成27年3月末現在、長野県における知事・大臣許可登録数は7,985社(前年7,981社)で、平成12年をピークに減少傾向が続いていたが、わずかながら前年から増加した。県内建設業者の17.6%は個人業者(全国は19.0%)が占め、個人業者と資本金1千万円未満の業者を合わせると、61.5%(全国は60.0%)に上り、小規模零細業者が多く裾野の広い業界構造である。ただし近年は中小規模業者のウェイトが徐々に低くなってきている。

一方、平成26年度の県内建設投資額は官民合わせて7,665億円(平成25年度は7,732億円)で、長野冬季オリンピック関連工事が盛んであった平成7年の1兆9,979億円と比較し61.3%減と大きな落ち込みとなっているが、平成24年と比較すると25.1%とここ2年は増加している。新築着工戸数は、平成12年以降は2万戸を割り込んで推移し、平成23年度迄は1万378棟と減少が続いたが、平成24年度は1万483戸、平成25年度は1万2,398戸と増加に転じた。平成26年度は1万807戸と反動減となった。平成19年後半は建築基準法改正の影響で落ち込み、平成20年度後半からは世界的な景気の後退の影響により一段と落ち込み、その後も欧州経済の危機や円高傾向による、景気の後退から建設投資の減少は続いた。平成24年度は、消費税増税を背景とした政策的要因が大きい。公共工事は、平成15年2月談合防止などを狙いにして競争入札を取り入れ、本格的な制度改革に踏み切った。このため落札率の低下に加えて受注確保も不確実なものとなり、仕事量の減少と受注単価の下落といったダブルパンチを受けた。平成23年度の長野県の発注における工事予定価格は見直され、単価回復に若干の明るい兆しは見え、平成24年度末からはアベノミクスによる工事増加が見られた。
民間工事においても、景気の後退による、民間設備投資意欲の減退で、一層競争は激しさを増し、受注単価の下落に繋がっていたが、公共工事、民間工事増加により、現場代理人及び職人の不足が発生し、労務費は高騰、さらに材料費も高騰しているため、建設単価は上昇に転じている。

長野県建設業 平成26年度売上高ランキング

平成26年度建設業売上ランキング30億円以上の企業数は56社(平成25年度は51社)で、そのうち増収企業は半数以上の33社であった。56社の売上合計は5,101億円となっている(平成25年度は4,692億円)。

ランク上位で前年度からの順位変動は、7位の吉川建設が前期比110.4%増収で前年の8位から1ランク上がり、9位の岡谷組も前期比117.6%増収で1ランクアップした。

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順位 社名 所在地 平成26年度
売上高
対前年度比
成長率
1 北野建設(株) 長野市 67,578 98.7%
2 (株)角藤 長野市 47,203 117.4%
3 (株)守谷商会 長野市 29,032 95.1%
4 綿半鋼機(株) 飯田市 27,185 95.4%
5 (株)TOSYS 長野市 22,064 90.6%
6 (株)ヤマウラ 駒ヶ根市 17,685 106.5%
7 吉川建設(株) 飯田市 16,823 110.4%
8 セキスイハイム信越(株) 松本市 15,605 94.1%
9 (株)岡谷組 岡谷市 12,091 117.6%
10 ミサワホーム甲信(株) 松本市 10,776 95.1%
11 神稲建設(株) 飯田市 10,466 93.9%
12 北信土建(株) 長野市 10,258 100.1%
13 ルートイン開発(株) 上田市 9,801 275.7%
14 ワールド開発工業(株) 長野市 9,577 102.5%
15 甲信アルプスホーム(株) 松本市 8,396 99.0%
16 富国物産(株) 長野市 7,791 96.6%
17 綿半テクノス(株) 飯田市 7,279 131.3%
18 (株)新津組 小海町 7,059 99.9%
19 (株)岩野商会 長野市 7,012 101.6%
20 (株)マツハシ冷熱 長野市 6,963 105.8%

(単位 百万円)