運輸・倉庫業 全国動向

陸海空を超えた業務提携、一貫した物流システムの構築へ

container国内の総貨物輸送量は減少傾向が続くのに対し、メーカーの生産拠点の海外シフトにより国際貨物輸出実績は増加傾向にある。日本は国際間競争に後れを取ってきたが、平成19年10月の日本郵政公社の民営化に伴い、陸・海・空の枠を超えた資本、業務提携が行われ、一貫した物流システムを構築してきている。旧公社の物流部門は新会社の郵便事業株式会社が引き継ぎ、ANA、商船三井、日本通運と合弁でANA&JPエクスプレスを設立。佐川急便は三井物産、JALと合同で航空貨物の会社ギャラクシーエアラインズを設立。貨物物流は、工業製品を中心に中国など新興国の経済発展により活発な動きを見せており、運送会社各社は海外への市場をシフトする傾向にある。宅配大手のヤマトホールディングスは、平成22年1月よりシンガポールと中国・上海で宅配事業を開始。近鉄エクスプレスはタイの物流会社を子会社化。日立物流もタイの物流会社の連結子会社化など、今後もこうしたアジア市場へのシフトはさらに強まると予想される。空運では、平成22年1月にJALが会社更生法を申請。不採算路線の見直しや傘下企業の合併等で経営再建を急ぐ。鉄道は少子高齢化を背景に輸送人員が伸び悩み、各社ともコスト改善を進めている。

運輸・倉庫業 長野県内動向

原油価格高騰、企業を圧迫

news paper国土交通省の貨物・旅客地域流動調査によると、長野県の平成19年度の貨物輸送量(総量ベース)は1億62万トンで、10年前の平成9年度と比較すると40.1%減少している。長野発・他都道府県着の輸送品目のうち最も量が多いのは特種品で21.3%、次に金属機械工業品が20.7%と続く。一方、他都道府県発・長野県着の輸送品目では、化学工業品が24.3%、金属機械工業品21.6%、特種品18.1%となっている。全体的な特徴としては、原油価格の高騰が収益面を圧迫し、平成23年3月に発生した東日本大震災の影響で、売り上げを落とした企業が多かった。

長野県下運輸・倉庫業の売上ランキングを見ると、1位の信州名鉄運輸は名古屋鉄道系列。長野、山梨、新潟、東京、群馬、愛知、大阪に拠点を構え、連続で業界1位の座をキープ。2位アルピコ交通は、鉄道、バス、不動産事業を手掛けるが、平成24年期に関連2社の吸収合併で売上規模を拡大。3位JAアグリエール長野(旧くみあい運輸)は全農系で、平成22年4月に長野県農協肥料を合併した。6位長野電鉄は私鉄事業会社。グループでバス、タクシー、ガソリンスタンドなど多角経営している。平成24年度にランクインした10社のうち4社が前年の売上を下回る結果となり、業界を取り巻く環境の悪化をうかがわせる結果となった。今後も先行き不安や燃料価格の変動、競争激化による受注単価の下落など、業界を取り巻く環境は厳しい状況が続くとみられる。

長野県運輸・倉庫業平成24年度売上高ランキング

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順位 社名 所在地 平成24年度
売上高ランキング
対前年度比
伸長率
1 信州名鉄運輸(株)

松本市 17,650 99.5%
2 アルピコ交通(株)

松本市 12,315 98.7%
3 (株)JAアグリエール長野

安曇野市 10,713 98.4%
4 アート梱包運輸(株)

東御市 7,612 109.6%
5 甲信越福山通運(株)

長野市 7,364 102.7%
6 長野電鉄(株)

長野市 5,249 103.4%
7 阿南自動車(株)

諏訪市 4,337 103.5%
8 南信貨物自動車(株)

松本市 4,182 99.1%
9 諏訪梱包運輸(株)

上田市 3,152 107.3%
10 信州名鉄運送(株)

諏訪市 3,006 102.6%

(単位 百万円)