ポイント：エンジニアの転職のコツ（面接編）FEATURE

他の職種同様、「この人と働いてみたい！」を作ることができれば面接はＯＫです。では、企業が期待するエンジニアに対する「この人と働いてみたい」とは何なのでしょうか？まずは、具体的・抽象的という観点からアドバイスさせていただこうと思います。

1次面接

一次面接は直属の上司やその一つ上の部長・室長レベルの方が対応されるのが一般的です。部長・室長レベルからするとあなたが入社してどういった仕事に配置したらよいのか、どんな役割で仕事をして戦力になってもらうのか、また力が不足している場合はどんな点をフォローすれば戦力化できるのかということを考えながら面接に臨んでいます。あなたの経験をベースに『どんなことができるのか』『どんなふうに仕事をする人なのか』この2点が伝わることが重要です。そのためには経験を具体的に話す必要があります。具体的にするポイントは

• どんな製品の開発に携わったか
• 開発プロセスのどの部分にどんな役割で携わったか
• どんな工夫をしたか
• その経験から何を学んだか

です。
その後、細かな専門技術や、使用していたツール、準拠した規格・プロセスについてなど、相手の反応に合わせてより細かく話していきましょう。最初からあまり細かすぎる話は控えましょう。相手が聞きたいポイントと違うところで細かな話をされても相手には響きません。かといって、あまりに抽象度の高いふんわりした言葉だけではこれも相手に届きません。（例えば、「機械設計のエンジニアとして、御社の開発力の強化に貢献したいと思います。」とか「モノづくりを通してエンジニアとして、グローバルで活躍できる人材になりたいと思います。」などは意気込みとしては良いのですが、具体性がなく相手に心と頭に残りません。）

役員面接・最終面接

役員面接や最終面接は一次面接よりも抽象度を少し上げて、未来志向で答えましょう。かといって雲とをつかむような話や、夢や理想だけを語ってきてはいけません。「求められていること（MUST)、やりたいこと（WANT)、できると思えること（CAN)」と「現在と未来」の2つの視点を組み合わせて伝えてみてください。

「求められていること（MUST)、やりたいこと（WANT)、できると思えること（CAN)」

自分自身を語るうえでこの3つのポイントを切り分けてお話しすることがとても大切です。

「求められていること（MUST)」
あなたが転職して、相手から期待されている事です。技術や経験はもちろんですが、チーム運営やマネジメントの視点など、この求人でどんな人材を求めているのかきちんと理解しておく必要があります。

「やりたいこと（WANT）」
あなたが転職先の企業でやりたいこと、なしえたい事です。あくまで企業でやりたいことですので、仕事に関連する内容です。実家に戻りたいやプライベートの時間を大切にしたいというのはここには当てはまりません。（それをしたいと思うことはダメではありません。）

「できると思えること（CAN）」
あなたが持っている能力で、できると思えることです。「思える」というのがポイントです。転職先では環境や状況も異なりますから必ずできるかはわかりません。ただし、根拠をもって「できる（と思える）」と語ることは相手に期待感と安心感を抱かせます。
最終的にはこの3つのポイントが重なり合っていることが『今すぐできて、あいてに求められていて、あなたがやりたいこと』です。ここが面接官に正しく伝われば、双方にメリットがあるわけですから、相手もあなたを選ぶ確率がグンとあがります。

「現在と未来」

「MUST」「WANT」「CAN」この3つのポイントを含め、現在の自分と数年後の自分を見据えて語りましょう。今の自分の「MSUT」「WANT」「CAN」を成功させていくことで、数年後の自分にこんな価値が作れるといういい方でもよいですし、数年後の自分の市場価値で企業に貢献するために今の自分の「MUST」「WANT」「CAN」を伝えるという方法もあります。大切なのは将来を見据えて、現時点に地に足がついている人材であるかがわかることです。もちろん、言葉だけでなく実際にそういう心づもりがあることがとても大切です。