面接官の立場を考えて、話す内容を工夫する
試験を受ける時に、面接官の肩書きについての説明が必ずしもあるわけではありませんが、やり取りしていくうちに何となくわかってくる場合もあります。それぞれの面接官の立場によって、関心領域が異ります。答えるときの表現もそれぞれアレンジしましょう。ポイントは、時間軸と具体抽象度です。
- 採用担当者(人事)が面接官のケース
- 中小企業の場合は、1次面接から経営者が面接官になることもありますが、たいていは、採用担当者(人事)が面接官になります。採用担当者だけが面接する場合は、そのあとに2次面接があるのが普通です。1次面接で、採用担当者が見ることは、2次面接に進める条件を満たしているかどうかという点です。採用担当者は応募者の専門分野の知識やスキル、職場になじめそうな人柄か、意欲があるかということに重点をおいて面接する傾向があります。
時間軸でいうと、比較的近い未来の話、具体抽象度でいうと具体的なことが好まれます。ただし、専門用語は控えめ、または説明を添えて。
- 事業責任者(事業部長など)が面接官のケース
- 2次面接になると、事業責任者が面接官になることが多いです。中小企業であれば、経営者も一緒になることもあります。事業責任者は、事業の安定性を保ちながら、事業を拡大していくことが使命です。したがって、製品開発、顧客サービスの拡大、マーケットの拡大などに応募者がどれくらい意欲があるのかどうかという点に関心をもっています。またそれを実現できるだけの知識経験ががあるかという具体的な専門性も評価のポイントです。
時間軸で言うと、比較的近い未来の話、具体抽象度でいうと具体的・専門的なことが好まれます。ただし、専門用語や技術知識の話を多く用意し、話が通じる人、やってくれそうな人という印象が大切です。
- 経営者が同席しているケース
- 経営者は会社全体の継続、発展、社会的責任に目を向ける傾向があります。このため、収益構造の安定化、組織の活性化、会社の将来像、会社の知名度の向上に関心をもっています。経営者は、意思決定者なので採用を即決できる権力をもっています。経営者が同席していたら、チャンスと思ってこれまで準備した成果を惜しみなく出してのアピールやそれがその会社の未来とどうつながると思っているのかを丁寧に伝えましょう。
時間軸で言うと、少し先の未来の話、具体抽象度でいうと抽象度の高いことなことが好まれます。ただし、あまりに漠然として言い方は相手に響きません。あくまで相手側のビジネス・業界等の土俵に踏み込みつつ細かなことというよりは、全体像をつかんだ伝え方が好まれます。中長期計画や経営理念などこの辺りも見返しておくことで役立ちます。